無料で試す
ログイン無料で試す
Marketing analyticsformula

損益分岐ROASの計算式:算出方法(2026年)

損益分岐ROASは、コストをちょうど賄うROASです。計算式、マージンに含めるべきコスト、そのまま真似できる算出例を紹介します。

Published:
損益分岐ROASの計算式:算出方法(2026年)

損益分岐ROASの計算式:利益の最低ラインを導く方法

損益分岐ROASとは何か

損益分岐ROAS(break-even ROAS)とは、キャンペーンがそのコストをちょうど賄い、利益も損もゼロになる広告費対効果のことです。これを上回れば広告費の追加1円ごとにお金が生まれ、下回れば赤字で売上を買っている状態です。この値は完全に自社のマージンから決まるため、ビジネスごとに異なります。ある店舗にとって健全なROASが、別の店舗を破産させることもあります。

ROAS(return on ad spend -- 広告費で得た売上を広告費で割った値)は通常、倍率で書かれます。30万円使って120万円が返ってくれば、ROASは4です。しかしROASは利益について何も語りません。売上は手元に残るお金ではないからです。

損益分岐点ちょうどを達成すると、広告費1円を粗利1円(注文の製造・配送コストを引いた後に残る売上の割合に基づく利益)と交換したことになります。到達目標ではなく、余裕を持ってクリアすべき最低ラインとして扱ってください。

BEROASという略称でも目にします。ドロップシッピングやEコマースツールでよく使われる表記で、同じものです。

i同じ3倍のROASで、正反対の判定

2つの店舗がそれぞれ広告費150万円を使い、それぞれ450万円の売上を得ました。どちらもROASは3倍です。店舗Aはコスト引き後に売上の30%を手元に残すので、450万円から135万円。広告費150万円に15万円足りません。店舗Bは60%を残すので、同じ売上で270万円が残り、広告費を払って120万円の黒字です。まったく同じキャンペーンの成績で、片方は儲かるビジネス、もう片方は縮小するビジネスです。決めたのはROASではなくマージンでした。

損益分岐ROASの計算式とは

損益分岐ROASの計算式は、1を小数で表した粗利率で割ったものです。損益分岐ROAS = 1 / 粗利率。粗利率40%なら 1 / 0.40 = 2.5 となり、広告費1円ごとに最低2.5円の売上を返さないと損益が合わないことを意味します。

同じ関係を3通りの言い方で示します。手元の数字に合わせてどうぞ。

  • 小数で: 1 / 0.40 = 2.5
  • パーセントで: 100 / 40 = 2.5
  • マージンの文で: 粗利率40%なら売上1円ごとに40銭が手元に残るので、広告費1円を賄うのに2.5円の売上が必要です。

関係全体を早見表にします。割り算も併記するので、各行を検算できます。

限界利益率計算損益分岐ROAS
20%1 / 0.205.0
25%1 / 0.254.0
30%1 / 0.303.33
40%1 / 0.402.5
50%1 / 0.502.0
60%1 / 0.601.67
70%1 / 0.701.43

逆方向にも使えます。ROASは分かるがマージンは不明なときに役立ちます。損益分岐に必要なマージン = 1 / ROAS です。ROAS 4.0を維持するアカウントは、トントンにするだけでも 1 / 4 = 0.25、つまり25%のマージンが必要です。それより薄ければ、多くの広告主が「良い」と呼ぶROASで赤字になります。

業種係数も、チャネル補正も、ベンチマークもありません。割り算ひとつなので、算術で間違えることはほとんどありません。人が間違えるのは、そこに入れるマージンです。

マージンに含めるコストはどれか

損益分岐ROASの計算で使うマージンは、限界利益率(その注文とともに増えるすべてのコストを引いた後に残る額)であるべきです。つまり、売上原価、配送・物流、決済手数料、返品・割引の引当金です。家賃、人件費、ソフトウェアの月額費など、販売数量とともに動かないものは含めません。

費用の各項目について問うべきは、注文が1件増えたときそのコストは増えるか、です。増えるならマージンに含めます。増えないなら間接費であり、損益分岐より上の利益から支払われます。

コスト注文あたりのマージンに含める?理由
仕入原価(COGS -- 商品そのものの費用)含める売れた単位ごとに増える
輸送費と関税含める単位あたりの上陸コストであり固定費ではない
ピッキング・梱包・配送含める対応した注文ごとに課金される
決済手数料含める取引ごとに課される率ベースの手数料
返品・返金含める実際の返品率を注文あたりの引当として計上
割引コード・プロモーション含める注文が実際にもたらす売上を減らす
その注文にかかるアフィリエイト・インフルエンサー報酬含めるその注文が起きたときだけ支払われる
家賃・間接費含めない1個売っても1,000個売っても変わらない
人件費含めない期間で固定であり注文数に連動しない
ソフトウェアの月額費含めない数量に関係ない定額の月間コスト
クリエイティブ制作含めない固定的な投資であり注文ごとのコストではない
!赤字を隠すミス

商品管理シートの粗利率(売上マイナス仕入原価のみ)をそのまま使うのが、この計算で最も多い誤りです。配送、決済手数料、返品を省くとマージンが膨らみ、損益分岐ROASの目標が下方修正されます。キャンペーンは低すぎる最低ラインをクリアし、ダッシュボードは黒字と表示され、銀行口座は減り続けます。この3つのコストこそ、商品原価の列に決して現れないものです。

リードジェネレーションのビジネスでも同じ計算式にひとつリンクを足すだけです。売上はフォームが届いた時点ではなく案件が成約した時点で入るので、マージンは成約済み案件に属し、各リードがそれをどれだけ運ぶかはリードから成約への転換率が決めます。リードの20%が成約し、成約1件の限界利益が22万5,000円なら、リード平均では4万5,000円。これがリード単価の上限です。

損益分岐ROASの算出例:ステップごと

4ステップで損益分岐ROASを導きます。平均注文額から始めて、注文ごとの変動費をすべて引き、残りを注文額で割って限界利益率を得て、1をそのマージンで割ります。1万2,000円の注文で、商品費4,800円、配送1,350円、決済手数料375円、返品引当450円なら、限界利益率は41.9%、損益分岐ROASは2.39です。

数字は架空のものです。手順はそのまま繰り返せます。

  1. 1

    ステップ1. 平均注文額から始める

    商品の定価ではなく、割引コード適用後の実際の注文の平均売上を使います。この例では平均注文額は1万2,000円です。

  2. 2

    ステップ2. 注文とともに増えるコストをすべて引く

    商品費4,800円、配送・物流1,350円、決済手数料375円、返品引当450円で、変動費の合計は6,975円です。残る注文あたりの限界利益は 12,000 - 4,800 - 1,350 - 375 - 450 = 5,025円です。

  3. 3

    ステップ3. 金額をマージンに変える

    限界利益を注文額で割ります。5,025 / 12,000 = 0.41875、限界利益率41.9%です。丸めたパーセントではなく小数のまま保持してください。丸めは次のステップで効いてきます。

  4. 4

    ステップ4. 1をマージンで割る

    1 / 0.41875 = 2.388、四捨五入して損益分岐ROASは2.39です。2.39を下回れば、この店は自分の財布から売上を買っていることになります。

同じ例を行ごとの損益計算として示します。左の列に自社の数字を当てはめてください。

行金額
平均注文額1万2,000円
仕入原価(COGS)-4,800円
配送・物流-1,350円
決済手数料-375円
返品引当金-450円
注文あたり限界利益5,025円
限界利益率(5,025 / 12,000)41.9%
損益分岐ROAS(1 / 0.41875)2.39

2.39が目標ではなく最低ラインである理由を、逆方向の検算で見てみます。15万円の広告費をROAS 2.39で使うと、売上は35万8,500円。その41.875%の限界利益は約15万122円です。15万円の広告請求を払って、残るのは122円です。仕入れ、配送、返品対応に1ヶ月丸々費やし、ビジネスが稼いだのは122円です。

まだ物流費と返品を分けて計上していませんか? 粗利率を使って1を割り、それを使ってください。ただし「楽観的」とラベルを付けてください。差し引いていないコストはすべて、最低ラインを上へ押し上げます。

損益分岐ROASと目標ROASの違いは何か

損益分岐ROASは、下回れば確実に赤字になる最低ラインです。目標ROASは、そのラインの上に設定して実際に利益を生むための目標です。前者は自社のコスト構造から自動的に決まります。後者はビジネス上の意思決定です。間接費と成長を見込んで、広告費1円がいくらの利益を生むべきかを決めます。

計算式が無視しているもののすべて -- 家賃、人件費、ソフトウェア、クリエイティブ制作、オーナー自身の報酬 -- は2つの数字の間のギャップに住んでいます。限界利益にはそのどれも含まれないため、損益分岐はそのどれも払いません。広告費1円ごとに1.5円の限界利益を求めますか? その目標は 1.5 / 0.41875 = 3.58 であり、2.39ではありません。

損益分岐ROAS目標ROAS
答える問いどこで損をしなくなるか?広告費1円はいくら稼ぐべきか?
導出元注文ごとのコストと平均注文額間接費、利益目標、成長計画
決める主体誰も -- 算術から自動的に決まるあなた自身
ちょうど達成したとき利益ゼロ、間接費未払い計画どおりに機能

この区別が最も重要になるのは、数字を自動入札システムに渡すときです。Google広告は入札単価上限を広告主が設定するオークションで動き、2026年8月12日時点で、Smart Biddingの自動戦略には目標ROASと目標CPAが含まれます。この種の戦略に入力するのは損益分岐ではなく必ず目標にしてください。システムは入力された値に向けて最適化します。Googleは最低予算額も公表しておらず、平均日次予算と月間支出上限を設定する旨のみを示しています(2026年8月12日時点)。規律は自社の数字から生まれるものであり、キャンペーン管理を自動化するすべての人にとって同じです。

最低ラインをあえて下回る正当な理由がひとつあります。リピート購入です。2回目・3回目の注文を見込めるビジネスは、1回目で赤字を受け入れられます。ただし、希望ではなく顧客生涯価値に基づいて計算が動いている場合に限ります。

万能な「良いROAS」ベンチマークが存在しない理由

万能な良いROASの数値は存在しません。損益分岐ROASはマージンで決まり、マージンはビジネス間で桁違いに違うからです。マージン70%のソフトウェア製品は約1.43で損益が合い、マージン20%の再販業者は同じ結果に5.0が必要です。ROAS 3倍は片方には余裕であり、もう片方には破滅です。意味のある唯一のベンチマークは、あなた自身の損益分岐ROASです。

事例、フォーラムのスレッド、代理店の資料が「到達すべきROAS」を語るとき、それは他人のコスト構造の話です。あなたの上陸コスト、配送費、返品率、価格帯をまったく知らない構造です。雑学として処理してください。

問題のもう半分は測定です。最低ラインと比べるROASは、毎回同じ方法で測られていなければなりません。よく使われる2つのバージョンは異なる問いに答えます。プラットフォームレポートのROASはそのプラットフォーム独自のアトリビューションルールとコンバージョンウィンドウでチャネルの功績を数え、ブレンディッドROASはチャネルを無視してすべての売上をすべての広告費で割ります。MER(marketing efficiency ratio -- 総売上を総マーケティングコストで割った値)と同じ考え方です。どちらも間違いではありませんが、互換ではありません。

実際の損益に基づく最低ラインに対してプラットフォームのROASを判定すると、赤字を隠すミスマッチが起きます。プラットフォームの数字の方が常に甘いからです。アトリビューション手法も無償の選択肢ではありません。Triple Whaleは2026年9月6日時点で、初回・最終クリックアトリビューションと12ヶ月のルックバックを備えた月0ドルの無料プランを公開し、マルチタッチアトリビューションは月179ドル(約2万7,000円)のStarterプランからです。ひとつのアトリビューション手法に決めて固定し、それから比べてください。

損益分岐ROASを下げる方法

損益分岐ROASは限界利益率を上げることで下がります。両者は反対に動くからです。マージンを1ポイント追加するごとに、必要なROASが下がります。レバーは、平均注文額の引き上げ、仕入値の低下、配送費の削減、返品の減少、値引きの抑制、価格設定です。そして関係が「1 ÷ マージン」であるため、薄利のビジネスほど得られる効果が大きくなります。

曲線は下側で急で、上側ではほぼ平らです。マージン5ポイントが買ってくれるものは、出発点によって大きく異なります。

マージン改善損益分岐ROAS(前 → 後)変化
20% → 25%5.0 → 4.01.00 低下
40% → 45%2.5 → 2.220.28 低下
60% → 65%1.67 → 1.540.13 低下

輸送費と資材費から5ポイントを絞り出した再販業者は、広告費1円あたりに必要な売上を丸1周ぶん減らしました。同じ5ポイントでも、マージン60%では最低ラインはほとんど動きません。広告効率の前に、まずマージンを取り合ってください。

検討する価値のあるレバーは、市場が許す範囲での価格、再交渉や大量発注による単価、単位あたりの輸送・資材費、セット販売や数量階層による平均注文額の引き上げ、返品を減らす商品ページとサイズガイド、そして誰でも見つけてしまう万能割引コードです。

もうひとつのレバーは注意力以外にコストがかかりません。注文ごとのコストがスプレッドシートにあり、広告費が広告プラットフォームにあれば、損益分岐ROASは誰かが毎月遅れて再計算する数字です。実際のコストと実際の広告費をひとつのビューに置けば、入札に使える生きた閾値になります。マーケティングROIを議論の対象から報告対象に変える規律です。

AdMetric

利益の最低ラインを毎日把握する

AdMetricはチャネル横断の広告費と実際の注文ごとの経済性をひとつのビューに集めるので、損益分岐ROASは月次の突合を待たずに自動で更新されます。app.admetric.pro/auth/register で7日間の無料トライアルを開始。クレジットカードは不要です。

Попробовать бесплатно →

損益分岐ROASに関するよくある質問

自分の数字を計算し始めた人が必ずぶつかる6つの質問です。

ROAS 3倍は良い数字ですか?+
ROAS 3倍は、限界利益率33.3%のときちょうど損益分岐です。1 / 0.333 = 3.0 だからです。つまり答えはひとつの数字で決まります。マージンがおよそ3分の1より薄ければ3倍は赤字、厚ければ多少の黒字です。罠はその両側の余裕のなさです。限界利益率35%なら、広告費150万円に対して売上450万円で限界利益は157万5,000円。家賃・人件費・ソフトウェアを払う前の余裕は7万5,000円です。これは例示でありベンチマークではありません。3倍は、自分のマージンで1を割るまでは何も意味しない数字として扱ってください。
BEROASと損益分岐ROASの違いは何ですか?+
意味に違いはありません。BEROASは略称で、どちらも1を限界利益率で割ったものです。知っておく価値があるのは、ツールが結果をどう表現するかの違いです。電卓の中には比率を返すものと、同じ最低ラインを注文あたり最大コストとして返すものがあります。後者は単純に注文あたりの限界利益です。1万2,000円の注文に5,025円の限界利益が乗っているなら、上限は1件あたり5,025円であり、12,000 / 5,025 = 2.39。同一の最低ラインを比率で表したものです。BEROASとラベルされた電卓を信用する前に、どのマージンを尋ねられたかを確認してください。商品マージンだけを要求する電卓は、低すぎる最低ラインを返します。
損益分岐ROASの計算に送料収入は含めるべきですか?+
はい。顧客が支払った送料は売上に含めてください。ただし実際の物流コストも費用側に残す条件付きです。片方だけを数えるのが禁じられた行為です。1万1,100円の商品に900円の配送収入があり、売上1万2,000円として計上し、物流費が1,350円かかるなら、送料は注文あたり450円の純コストであり、無料配送でも1,350円の損でもありません。消費税は別扱いです。徴収して納付するものなので、売上から完全に除外してください。ルールは、広告プラットフォームが報告する売上の定義に、同じ基準で作った費用リストを対応させることです。
Eコマースではなくリードジェネレーションの損益分岐ROASはどう計算しますか?+
割り算は同じですが、フォーム送信から成約までのすべての転換ステップを通じて売上を遡る必要があります。リード獲得のファネルは通常、1つではなく2つ持っています。フォームから有効リード、有効リードから成約です。フォーム送信100件のうち40件が有効で、その4分の1が成約すれば、成約は10件です。成約1件の限界利益が30万円なら、フォーム100件は300万円を運ぶので、フォーム送信1件あたりの上限は3万円です。広告プラットフォームは売上ではなくリードを数えるので、最低ラインは比率ではなくリード単価で表してください。ラグも見てください。営業サイクルが90日なら、今日のリード単価はまだ成約していない案件によって判定されます。
損益分岐ROASを意図的に下回って運用してもいいですか?+
はい、優良なビジネスの多くがそうしています。ただし、最初の注文の外側にある何かが差額を返済する場合に限ります。通常の返済源はリピート購入です。初回購入者の40%が1年以内に同じ限界利益で戻ってくるなら、獲得した顧客1人は1.4注文の価値があり、初回注文の最低ライン2.39は 2.39 / 1.4 = 1.71 まで下がります。これは例示であり、リピート率が推定ではなく実測である場合にのみ成り立ちます。2つのガードレールを設けてください。最低ラインを下回る総支出の上限を定めること、そしてギャップを担えるだけの現金があることです。利益は広告の請求書から数ヶ月後に届きます。
損益分岐ROASが変わり続けるのはなぜですか?+
すべての入力が動くからです。最大の動因は商品ミックスです。低マージン商品に偏る月は、広告アカウントで何も変わらなくてもブレンドマージンが42%から38%へ動き、最低ラインは2.38から2.63へ上がります。輸送料金、仕入値の値上げ、すべての注文に割引コストを加えるプロモ期間、繁忙期後に急上昇する返品率も同じ方向へ押します。カードとウォレットの構成が変わって決済手数料が徐々にずれる場合も同様です。四半期ごとに再計算し、プロモ月は別の最低ラインを運用し、カタログのマージン幅が大きい場合は店舗全体の単一値ではなく商品ファミリーごとに1つの損益分岐値を保持してください。
AdMetric

最低ラインを無料で試す

AdMetricで広告費、売上、実際の注文ごとのコストを並べて確認し、どのキャンペーンが損益分岐ROASを本当にクリアしているのかを知りましょう。app.admetric.pro/auth/register で7日間の無料トライアル、クレジットカードは不要です。

Попробовать бесплатно →